研鑽科学(ヤマギシズム)について(2008.8.1)
「ヤマギシズム」という語は、もう既に使う必要がなくなったが、「ヤマギシズム」という語が使われている間(消滅し終わるまで)は、その語源を明らかにしておきたいと思う。
―― 3 現状に満足している人に ――

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Category: <山岸会養鶏法> > 一特別解説 | 2003.12.30 Tue 16:00

3 現状に満足している人に

 今更そんな養鶏を知らなくとも、現在それ以上立派に飼えてあると思う人も果してそうであるか、自惚れでないか、永続性があるか、どこが違うか、より良くより高く向上するために、比較検討することも無駄ではない筈です。
 昔からこうして成功したとか、誰でもがこれでやっているからとか、自分には合わないから、或は充分儲かってあるし、自分はこれで何不自由なく幸福そのものだと思っている人でも、意外な欠陥を発見したり、無駄骨を折っていることがあります。
 設備もあり毎年 100%育って一度も失敗しないし、そんな面倒な原始的で幼稚な、不安定な、技術のいる堆肥熱育雛等を習わなくとも、熱原費も僅かで、便利がよいと独り決めして、雛から鶏舎・自宅迄焼いた人が方々にあります。
 又一時的現象を見て、狭い育雛枠で日光・運動不足で、柔かい餌で、点燈等して、薬迄使って、 100%育ったと自信を持ち、中雛・初産・老鶏迄の落伍鶏の多い、低能率鶏(飼料利用率の低い)の赤字鶏に育成して、よい気でいる人も随分あります。
 親がこの鶏種で財産を拵えたからとか、この鶏種はどこででも飼っているとか、純粋種だ、奨励品種だとか、飼料面でも、根本的な、鶏そのものを誤って、機械や試験管なみに観るから、生きた環境適応性の強い鶏に、合わないことは当然で既成栄養学等は、根底から覆えされるものを、すでに黴臭い分析表と首引きで、グラム何、コンマ幾何と、如何にも科学者気取りで、前世紀の遺物になろうとしている人もいます。
 空気や水や草や塵芥が、卵に変る自然の根本妙手を知ろうとしませんか。水爆の出来た新しい時代について行こうとしませんか。
 適温問題にしても、温度計が何するものかも知らず、空中水分も、生きた鶏の欲求適温も、爾後一生の外気対応体質造成の点も忘れた観方に、根本的間違いがあり、 100%育ったからそれでよいでは、高度精密人為自然科学実用養鶏の前に影が薄れる道理です。
 計器・数字でないと夜の明けぬ粕理屈屋は、夏日、羽根を拡げ、暑さに口を開けている鶏と、温度計とを並べて、旋風機で風を送ってその変化を観察することで、データー、データー何がデーターかよく検べることです。
 鶏の好む温度は鶏に聞くことで、温度計に聞くとはお門違いでしょう。
 昨日は今日ではない。古い学説や、部分科学の半端者に捉われていては遅れる。取り残される。進んで止まぬ綜合哲学的に、物を観ないとだめですよ、です。
 そんな難かしい毎日進む高級養鶏は、頭の弱い、忙しい農家には向かないと逃げ出すのは早過ぎます。
 こんなに複雑精細な養鶏法が、素人の誰にでもやれる方法があるのです。
 その方法と云うのは、毎月半日を割いて支部研鑽会に出る丈のことです。
 共に研鑽して時の最先端を行なうのみです。学資も謝礼も要りません。ただ要するものは親が子を愛すると同じ親愛の情です。自分だけ覚えたら出席を止めて、後を教えて貰えぬと腹を立て後かまわずに離れるでなく、後に続く人々に、自分の持てる凡てを”かつて自分が受けたように”与えて、与えて、与え尽くす愛の心です。後れている人は吾が子です。吾が子に与える喜びに生きる、喜びの自分を発見するのです。私の持っているなけなしのものも、早く貰って欲しいです。貰って怪我や食傷せないよう、真の人間らしく早く成長して欲しいです。成長に応じて差上げます。人と人とが、権利よ義務よの法律のみでは円滑な感じのよい社会生活は絶対出来ないもので、与えて喜び、受けて喜ぶ、相愛社会に永久の安定・繁栄があるのです。
 組合や会を造っても、この精神が欠けていたならば、却って物欲の突張り合いの場ともなるでしょう。
 多くの会や団体が破綻するのは、寄る時の理屈・勘定はよいが、この団体を愛し、会員を愛し、真に自己を愛する相愛の精神が足りないためです。
 自分のみのためにと、取り合っていて、よくなる道理はありません。
 凡てが共生の世界で、稲や鶏の生物は言うに及ばず、機械や道具等でさえもその機能・生態等をよく知り、無理使いなどして傷めつけないよう、大切に愛して、その持ち味を最大に生かしてこそ、人間も亦良く生きられるわけで、愛する心を失って、使い倒し、取り切ることのみ考えていては、機械は壊れ、鶏は病気になったり、働が鈍り、損失は吾が身に還って来るのです。心の繋がる堅い団体を造り、仲よく愛し合うこそ、真の養鶏を発展さす方法です。
 一切の争を起さず“仲よくやりましょう。” 1955,6 10   山岸 巳

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