BOOKS: 『SCIENZ(サイエンズ)』
研鑽科学(ヤマギシズム)について(2008.8.1)
「ヤマギシズム」という語は、もう既に使う必要がなくなったが、「ヤマギシズム」という語が使われている間(消滅し終わるまで)は、その語源を明らかにしておきたいと思う。
―― アーカイブ: 2003/11 ――
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Category: 一卵革命を提唱す > 一 前説 | 2003.11.02 Sunday 23:18

2.働き過ぎる ---馬鹿働きを---

 百姓が真の百姓でない証拠に、牛馬よりもよく働き過ぎる。毎日朝から晩まで体ばかり使って、頭の方は米作り技術には使わずに、小金儲けに余念なく働かせるのが百姓の仕事でなく、頭も共に休み休み上手に使う事で、仕事するのが目的でなく、米を穫るのが目的で、米を穫ったら腹を太らすのが目的で、国中世界中の人に満腹満足さすのが、真当の百姓の仕事です。
 それから、食べる事が人生の目的か、何が目的で生きているかを見極める暇を造り、手元・足元より見えないチョイかしこ、チョイ真似で、悪自信のついた硬化頭の改造もしなければなりません。
 狭いと云われる日本の耕地を独占して、誰に一歩も踏むまさぬ理は、ノロマでトンマで小金に目のない、ひとかまわずの馬鹿百姓の特権ではない筈です。
 有能な農民は小費・小労・多収・豊産で、自分もひとも鼓腹撃壌、財も出来るが、作物と共に楽しみ、思慮ある真の百姓に成り切ることです。

Category: 一卵革命を提唱す > 一 前説 | 2003.11.02 Sunday 23:17

3.日本農民の仕事

 差し当り日本の農民は、米(農産物)を豊満にして輸入を止め、価格を引き下げる事が仕事です。
 日本経済の安定・国民生活の確保は、先ず生活物資を国内で生産するに如かずで、世界経済に繋がり、適地・適作と云っても、売る買うには相手方の要ることと、その間の諸経費の嵩む無駄があり、極力時給の道を研究し、生産費を切り下げ、価格が低下しても採算が続くよう努力し、且つ消費者側の生活費を軽減し、それぞれの部門の仕事に専心没頭出来るように協力し、一家の財産と思うと共に、国全体が富裕になるような方針で励む事です。
自分一人の力で収穫したものでない理が判れば、同じ土地に住み、それ丈土地を狭められている商工業者や他の人に、その徳を頒つことは当然で、農産物が豊富に安価に得られ、生活が安定するなれば、安い工業生産品も出来て、農家の必需品を安価に充たし、国外市場も拓け、それ等の人々の生活をも豊かにします。農業立国の古い言葉は今初めて役立ちそうです。

Category: 一卵革命を提唱す > 一 前説 | 2003.11.02 Sunday 23:16

4.卵を5円に引き下げましょう

 米の増収と価格の引き下げに、根本的に大きな役割を持つものは養鶏です。
 私はいろいろの農法の一端を聞き齧り、自分でも数年間百姓の真似事をやって見て、いよいよ、ますますその必要を感じ、今なお次々と気付きつつあることは、植物と家畜の密接不離の相関々連で、特に、米-鶏-土-米の因果循環です。鶏に米の合う事は数十年の実績から断言出来る事で、健康・産卵・肥育に適し、米で造った卵肉は、味と香気と滋養等品質が特に優れ、雛の発育・・色沢の目醒ましい事も、本会員諸氏の素晴らしい成績が立証している通りです。
 米がそのうちに生産過剰になりますが、その時は牛・豚・鶏に与えれば、美味良質な卵肉が最も経済的に増産されます。
 果樹・果菜・芋類・穀類・花卉・茶・桑園・牧草等に鶏糞の肥料効果の著しい事、土地を肥沃にすることは、今更喋々する迄もありませんが、米不足の問題は、既にこれによって解決していると云っても、過言ではありません。今更山野を開墾して稲を植えなく共、現在の稲作面積で充分で、寧ろ山間部の何畳敷かの三日月田は、近く整理転換すべきでしょう。果樹もあり、飼料作物や
植林も考えられ、如何に精神生活の得意な日本人でも、労働生産性の点も少しは考えて、米さえ穫れたら良いとしない事で、鶏や牛の餌を造って、乳や卵肉で栄養の均衡を図ることだと思います。
 稲作と鶏については、常々研鑽会や色々の機会に云って居ますし、会員諸氏も実験済で、釈迦に説法で叱られそうですから止めますが、唯鶏糞の用い方を知らないと、稲が食傷することがあり、病虫害や倒伏の損害賠償を持ち込まないよう、よく勉強され度いです。私の浅い経験では、土質にもよりますが、多施する程増収し、今の耕地で一億人位の米は確保出来る筈だと云えます。
 それだけ米を増収するためには、それに合う農法によること勿論で、又それに合う羽数の鶏を飼養し、又その鶏を飼う飼料を、その耕地等で栽培することです。
 農法を改め、養鶏法をそれに合わすと、鶏卵が一個5円以下になっても、快適な経営が続けられます。手の要る養鶏法や、忙しくなる農法は、二兎を追う愚人の処作事で、私は他人にすすめる勇気がありません。
 5円と云うのは、今日の物価指数をこのままにしての事で、この位の値頃になると、商人も工員も一般所得や給料の低い人達の
食卓を賑わし、弁当に、菓子の原料に、遠足に、無限に需要は拡大され、生産過剰の心配もなく、国外へ引き合いが付くと思いますし、農家も消費者も、美味で安価で栄養完全の蛋白食に、健康を増し、活動的となり、米の消費量は激減します。
 こればかりは、老人も子供も病人も、一般全大衆の食と健康と家計を好転し、たかが養鶏位と思わずに、僅か一個の鶏卵にも、自他を豊かにする大きさを知り、生産するにも販売するにも食べる時も、お互いの心を通わせ度いものです。
 生産者は自分の儲けのみ考えずに、卵価を下げて消費者に楽になるよう心して、安く売っても引き合うように、生産費を引き下げ、成績を上げ、興味本意の経営を楽しみとします。
 消費者は安い卵で生活を豊かにし、財産を積む事のみに専念せず、各々の仕事の方に専念し、工員は一番よい工員として、よい生産品を造る事に専念し、官吏公職員も、有能・公正に、教育者も、食うための職業とするよりも、教え子がそれぞれ自分より立派になり、老後に慕って訪ね寄るような、楽しい真の教育者になることです。宗教家も、自ら神仏になろうと無理をせず、生活も亦安定するから、金襴袈裟衣や伽藍の威殻を抜け出して、肉食妻帯の真の人間となって、社会浄化に打ち込む方が心の呵責に嘖なまれず、砂噛む思いでお経を読むよりも、自他を幸福にするものだと私は思っています。
 本会で農家には、農業養鶏を推奨し、宗教家や教育家は、人生養鶏を実践され、生きた教育・宗教を現社会に直結して、現世よりの幸福社会を実現しようと東奔西走、真の宗教・教育家としての道に精進されつつあります。

Category: 一卵革命を提唱す > 一 前説 | 2003.11.02 Sunday 23:15

5.私は秘密を堅持している

 私は今迄に私の社会構想や農法等について、一端に触れるのみで、具体的なものは殆ど発表して居りません。
 ヤマギシズム社会にある根源的要素の一つを、最も性格に決定的に打ち出す、頗る簡単な、数語で説明出来る言葉があります。
 この言葉で総てを誰でもが判定することが出来るのですが、私はそれを絶対に口外しません。いずれは云いますが、今それを洩らすと、ある国々が思い違いをして非常なショックを受け、多分敲いて来るでしょうから、私の身が危険になります。元より生命は一度はなくなる事はよく知って居りますから、その方は大した事とは思いませんが、目に見えない、いのちが失くなると、書き続けることさえ出来なくなり、理想社会が遅れるでしょうから発表しないのです。
 そこでその字は出さずに、その字句と同じ意味のことをここでも書いて居りますし、各種の公開の席でも発表して居りまして、現に実践に移しつつあることで、別に危険でもなく、誰に迷惑を与えるものでもなく、内容は至って穏健なもので、必ずこの社会が全世界に実現することは、自然の理法であり、最終のものであり、この社会になる迄は紛争は、絶えないでしょう。
 その字句さえ出せば平易に判り、こんな廻りくどい文章は相当削除されるのですが、迂遠な方法を採らなければならないのは、誤解しそうな国の人々には字句そのものが余りにも鋭く、激しい感じを与えますから、当分云わない迄で、云っても云わなく共事実は、ぐんぐん進行さしていますから、お互い痛い目をせず、混乱なしに、血を見ないで、幸福社会を実現さすために、ある段階迄は絶対に云わない事にしています。
 これが私の一つの秘密で、云わない方が理想社会が遅れないで、確実に実現するからです。これ程親しい仲でなぜ云わないかと怒る人もありますが、その理をよく解って下さいね。
 次の秘密は大したものでなく、私の農法で、例えば馬鈴薯や、キャベツ作りの一技術ですが、農業は匿すことは出来難いもので、公開の圃場で、何時、何をしているか、どんなに出来たか、一目で判り、隣地の農家は、不思議な出来映えを見て話しかけますが、何故か掴もうとしませんし、私も親切の押し売りをしない方で、本当に欲しく、本気でやり度い人ならば、どうしてでも探りもしようし、尋ねもする筈で、こちらが不親切なのではなく、先方に欲がなく、自身に親切が足りないから、私をして云わさないだけの事です。
 しかもこちらから押しかけて勧めると、よく失敗するもので、自分の不熱心さで失敗した場合、その不足の矢は必ずと云ってよい程、こちらへ向けて来るのが、今の社会に住む人間の通有性で、軽率な人には失敗の惧れがあるこの馬鈴薯栽培は、云わない方が双方のためでもあり、この栽培法が一般化しても、人類幸福には大した効用もありませんから、今の処強いて云わないのです。
 私の稲作法は、僅か5年足らずの新参百姓の、薄い頭で試みた、原理的技術であって、実験年数浅く、何処ででも、誰にでも、どんな年でも、必ず何石穫ると云い切ることの出来ない、いわば決定版でない故に、他の人、他の地方、或る場合により、失敗されては相済まぬし、その責任もよう取りませんから、他の稲作の神様連程厚カ間敷く押し出さない迄です。養鶏が一応見通しがつけば、近く発表するつもりで、これも日本はおろか米作地一体に拡がる自身はあります。
 大根栽培は私の生命線で、これさえ放さなかったら、私は一生食い逸れないと思って、温めて出さないです。
 人は私のような人間にでも、用のある間は寄って来て、使用しようとしますし、それぞれ自分のために、大いに使ったらよいものを、(私も使用され度いが)一寸手に余り、うまく使いこなせる人が少なく、役に立たぬとなると、鼻でもかんで捨てられることを自覚(不徳故に)していますし、私自身が、誰にも恩返しをしたことがありませんし、しようとも思いませんし、又出来ませんし、恩を売っても居ませんから、捨てられ、踏み躪られて成仏?するのが私の当然な運命で、人は大体そうしたものと決めて出発していますから、何と罵られよう共、ニコリッとしていられるのです。
 私に感謝だの恩返しだの、私のためにお助けする等云われると、片腹痛いです。生かして置いた方がお役に立つなら、飼って置くなさいよです。
 一人になって大根でも作って、書き続けるうちにさらばが出来たら元々です。
 この会も、私一人の会でもなく、私に名を成さすための会でもなく、目的は他にあり、私のためになら何もされない方が賢明で、自分の抱かれる理想社会を、自分及び自らの子孫を含めた皆の人の幸福を目指して、その実現のために、相共に協力されるのなれば歓迎するのです。大いに提携したいのです。
 この大根作りも、自分一人で儲けたい人が知ったなれば、日本中の市場を皆大根に埋めて、売れぬ大根の運賃で悶死し、皆が知ったら大根攻めに会いますし、それから、日本人から大根は切り離すことの出来ない程の必需品でも、大根のみでは胸が空いて水膨れになり、大根腹では余り幸福にもなれそうでありませんし、米や卵の代用にもなりかねますから、程ほどにして置きましょう。

Category: 一卵革命を提唱す > 一 前説 | 2003.11.02 Sunday 23:14

6.養鶏技術について

 私が云いかけて云わないのが、トテも気になるらしい。云いかけて云わぬのなれば、何も始めから云わない方がよいし、モー奥が無いのに人を引っ張って置くために、勿体づけて、まだ有るように見せかけているのだとか、養鶏の方が種切れになったから、精神面の話でゴマかしているとやら、何辺研鑽会に出ても、同じ話ばかりで嫌になり、何も聞いて役立つような珍しい話が無いから出席しないとか、そのうち躓いて泣きついて来ると、ソレは治ってケロリと忘れ、そのうち迷いが又始まって、又外の事でつまずいて来ると、その事に触れずに、お説教を押し付けられたり、雲を掴むような話で、煙に巻いて、腹を立てなと云っていながら腹を立てさすし、オコられる(オコっているのでしょうか)と云います。
 卵を産まぬ、大損さされたとカンカンになっているとか、(面と向って、直にドンと当って来られないクセに、蔭弁慶共が)アリャ駄目だから二回給餌がよいとか、三回にしたとか、自分の鶏のみで足らずに、粗飼料が、自家配合がと、閑な一部の例外や、自分の特別の場合を他人に迄勧めて廻り、後の責任はどうなさるか知らぬが、御自身の未熟な技術や、頭の悪さを自己宣伝に力め、乾燥一回給餌で、一番儲かる方法の勉強を共にせず、練り餌がよい、生魚屑はよく産むとか、中には白レグが、バタリーがと、憐れな欲無しが、だんだん型を崩しいよいよ複雑に、ますます忙しく、或る人達より出来ない面倒な型へと普遍化の逆車を推して鶏に奉仕し、自分の足下を自分で崩して気が付かない迂濶者が、追々と湧いて来ましょうし、現に方々に、他からの逆宣伝と呼応して、賑やかになりつつあります。
 これも予想に織り込まれた一時的現象で、こうしたウィルスも、やがては事実と云う太陽に照らされて消滅し、真実の人達の前にひれ伏すことは決定しています。
 生物は愛の心で飼わねばならぬのに、儲け道具と考えたり、腹立てて飼ってうまく行きますか。損するのは誰ですか。あなたでも毎日怒っている主人の下で、気持よく働けますか。能率が上りますか。牛を見なさい、飼い主の性質と見並べて。憎んで腹立てて育てた継子がどうなりますか。日々の新聞は、愛に飢えた継子が飯の種ですよ。
 力に余る大きな鶏舎を建てて手を焼いている人は、腹が立ったら胸に手を置き沈思黙考黙考。私は自分で仲々行なえてはありませんが、自分に一番厳しかれと念じ、身に近い者程厳しく、愛の鞭か、憎しみの鞭かを静かに味わってみましょう。
 この養鶏法は、何も知らない素人が初めてやれば皆育ち、よく産みます。話を聞く時、耳が立ち目が光っている。何回でも聞きに来ますし、素直に受け入れます。成績のよいのは当り前で、親の肩車で川渡りしている童子のようなもので、自分で渡ったと他愛なく空威張りし、二年目になるとそろそろ巧者が入り、気弛み
が出て三年目になると雑音やら、おれがの我がノサバリ出し、母が馬鹿に見え出し、常識やら悪友に誘われ、粕理屈や本や雑音のうちから、モットよい手がありそうと、取捨選択で自惚れ欲を満たさんと、欲に欲が出る、足が浮くで、鶏病にしても云われるままにして居れば殆ど出ないし、出た処で、会に依って居たら治して貰えるものを、敷居が高くて来られぬままに、片言覚えの素人療法で治らぬとて、インチキ呼ばわりしたり、知ったか振りして他人の鶏を殺して赤恥かいたり、身の程知らぬ憐れさで、自ら掘った落とし穴に踏みかぶって、親に不足を云って来るし、くさし廻ります。甘い養鶏法か、辛い養鶏法か、そんな近目で見通せるものですか。
 練り餌でやったり、生魚屑で回数給餌の臭い手の込む昔の拙い養鶏法に転落し、そのうち気が付くことは、三年前に聞いた事を思い出して舞い戻りますが、こんな多情者は又家を飛び出し、後は野となれ山となれで、法界坊の成れの果てを、並木の松に晒すこと必定です。初めは、云って貰った通り一貫してやりますと約した初さは何処へやら、何しろ心の置き場所が間違っていて、母の心も知らないで、人がやらないうちに一儲けしようと焦り出し、焦るから目が見えなくなり、だんだん下手になります。自業自得とは云い乍ら、大きな安全な道があるのに、近道しようとして怪我をします。この会は自分一人儲けをささない約束通り、今に地方から自給飼料の5円の卵が押しよせて来て、アップアップで溺れますよ。地方では何故安く出来るか聞きに来なさい。その訳を説明して上げますよ。娘売ろうか鶏飼おかの真剣な疲れた農村の実状を。
 不心得者の限って、自分の伸びる邪魔するなと、他の地方の乏しい人達に拡める事に反対し、会を崩し、自分の足もとの国をつぶしにかかります。本会もそろそろ、こんなのが湧いて来る季節に入りますよ。いやなら会から、さっさと離れる事で、養鶏も全国に広がったし、一卵革命やら、長居していると何が起るか、今の中ですよ。

Category: 一卵革命を提唱す > 一 前説 | 2003.11.02 Sunday 23:13

7.云いかけて云わないことと後編発行を遅らせている理由は

 私は山岸式養鶏法の中の、農業養鶏編の前編のみを出して、後編を未だ出して居らないから、各地から問い合わせや申込が沢山参りますが、これは何時発行出来るか未定です。
 私は出来る事なれば、出さずに済ませ度いと思っているのです。
 後編を出せば少々は儲かりますが、それは親切に見えて、実は真の親切でない事になります。育雛40日迄は実に易しく、誰の目にもその良さが解りますが、それ以後になると、追々と技術的に経済的に複雑さを加え、損益の岐路は実に微細な処にあり、世の多くの人達は、養う養鶏や、儲からん養鶏や、損するための養鶏をして忙殺されて、最後は空鶏舎と借財が残る養鶏法をしています。
 私共は生産者も、消費者にも都合のよい鶏卵を5円にして、皆が豊かに仲よくなる運動をしていますのに、5円になった途端に、鶏舎が物置になっては、仏創って魂入れずで、最終目的から外れることを知っています。
 今迄の例から行くと、鶏界が不況になって、一番先に鶏を売るのは農家です。
 専業家を圧迫したり競争するものではなく、提携して5円に卵価を引き下げるよう、相共に協力しなければなりませんが、養鶏は一つの産業で、仲々甘い事では専業家の技術には及ばないです。三年五年と年期を開けた人や、養鶏書片手に幾年も失敗や損を重ねて、高い月謝を注ぎ込んだ人に、直ぐ高慢やになる百姓頭では、従いて行けませんよ。
 毎日昼夜鶏に付き切りで専心打ち込んでいる専業者に、百姓や何かの片手間で肩を並べて行けるものですか。
 鶏の方に力を入れると、稲作が留守になる。試みに白レグを飼って、秋に穫り入れに力を入れて、給餌時間が遅れたり、早過ぎたりしただけで、どれほど応えるか、利益の裏側には損失があり、一辺に換羽にかかり、長期休産することがあります。忙し過ぎる農家の実態と、忙しい時の農家心理に合わさないと、思わぬ損をしますよ。
 餌についても、小麦が安く糠類が高くなったり、毎日変動し、専業家は目を光らして利巧に機敏に入手し、生産物の販売も百姓とは一寸上手にやります。
 共同購販の機械的な操作と違い、活きた商才で、動く相場を掴みますから、この点だけでも専業の人に後れを取ります。
 稲作に毎年風とか水とか、品種・日照・肥料と、一難去って又一難、昔から知らぬ病気や変な虫が渡って来たり、倒伏等があるのと同様に、養鶏もそれ以上で、変動の多い飼料や、生産物価格に対し、活字の本を読んだり、講習をたまたま聞いたり、他を見たりした悪自信で伸びた天狗の鼻は、いとも簡単にポキリです。
 今の様な好条件の時に、フラフラ迷い出している幽霊は、早く足を生やして大地にシッカリ立たなければ、不況の嵐に真っ先に消えて無くなりますよ。
 専業家は、農家の手の届かない特徴と手腕で、専業として経営し、農家は、専業家の真似られない独特の長所を生かし、忙しくとも技術が無くても、商才が乏しく共、規模は小さく共、立派にやって行ける組織を持つ事です。
 しかも権利だ義務だと、ゴツゴツ法律で固めた、動きの取れない器物的なものでは、絶対駄目で、心の堅い結束による総親和の大組織が物を云います。
 専業部の人々と提携して、種鶏を大組織で改良し、組織の中の
孵化場で孵化し、組織内の飼料商から委せる良心的な餌を買い、組織を通じて生産物を消費者に贈ります。全部一貫的に血の通った産業とし、一日も早く1個5円の鶏卵を有利に生産し、生産者も消費者も、生活を豊かにすることです。
 以上のように、諸種の条件を揃えねばなりませんから、本に書いた位でそれを取り入れて経営されることは、却って中途半端な線に止まり、5円の線が来た時、絶対決定的と安心出来ませんから、育雛及びそれに関連する必要な部分だけを出した訳で、其の後は、お互いの自力により力を付け乍ら、且つ心温まる会の組織を拡充し乍ら、その間研鑽会や、諸種の機会を通じて、私の云いかけて相済まぬと心中詫び乍ら、心ならずも云えない秘匿・温存する技術其の他全部を、発表することを、私はここに確約し、会員相互の血の繋がる立派な揺がぬ技術と経営と組織とにより、豊富に安価に鶏卵肉を生産し、農産物を豊穣にして、商工官民とも相協力して、世界の幸福につづく、日本の全国民の健全なる生活を護り、親愛快適なる社会を齎そうとする意図に外ならないのです。

Category: 一卵革命を提唱す > 一 前説 | 2003.11.02 Sunday 23:11

8.一卵革命具現方式の要約

 私は一卵よく世界を転覆し得ると大言しています。併しこれは決して誇張ではないと思います。科学的に、数理的に及び人間の心理的に、動かせない本質的基盤をバックボーンとして組み立て、歴史的に進化的に過去・現在及び将来の変遷・移行を調べ、自然と人為の調和によって益々強靭に、荘厳に肉付け、滲み出る人間社会愛の香りと、潤いと、美粧を添えて、永遠のものたらしめんとするもので、その礎石・原材となる総ての資材は、豊富に現実に用意されたとしても、設計・施工を過てば、あたらその良材も、風無くして倒壊し、又は醜悪の姿を晒すことでしょう。
 私共はその工匠・術者たらんとし、否そのそれ等工師の何処かの最も小さくして、最も重大な要素となる無形資料に、滋味と活力を供する実動行為として、一箇の卵に心をこめるのです。
 人間生存の源泉、衣食を、人為を尽して自然にもとめる大多数農家に、その方策に賛助し、効率の高揚と、生存の恒久生を取得されるように仕向けるものです。而して農民の得た結実は、他の凡ての人々の生存と活動を支持・擁護するものです。
 私共は鶏を全農家の経営体に組み入れ、農地の肥沃化、生産物の良質の累進・収入の倍増による、職業と、食と、経済と、健康生活を確保し、その豊穣なる生産物を、消費者に安価に贈るもので、養鶏収入は全農産物の純益に匹敵するに足る、高額を占めるものです。
 要するに鶏のいない農家を一戸もなくし、鶏卵肉を誰でもたやすく、農家は勿論、社長工員も、ルンペンも大臣も、街の隅々まで一人残らず日々食べられる運動、即ち広く浸透して、前部凡ての人の健康と生活を護り、一方狭く高く、特定の学究家等に無償で連続的に贈り、優秀知能の支持・伸長を図る、面と点に具現方式を実践するものです。
 私も鶏に直接飼料は与えられませんが、会員諸氏の一個一個の卵にもタダの卵でなく、われひとと共に繁栄せんの心のこもった、人のよろこぶ卵として、養鶏に携わる者はその立場から、諸兄姉と相共に親愛社会に孵える一卵、一卵以て日本を、そして全世界を、幸福一色に改革する端緒とし、月界への通路たらしめましょう。
           1954. 11. 29.

 私は食いつめた時には大根の技術で活きて行けそうですし、死に対しては憧れ、急いでもいませんが、死を嫌っても居ませんから、私の為にでしたら、祀り上げたり、何等施さないで下さい。私の事を構わずに、良い、安い、世を明るくする卵を、一個でも多く生産して下さい。平常の暴言・失礼は反省していますが、何故に出る言葉や態度であるかが、解って頂けると思うのは果して厚顔でしょうか。

Category: 一卵革命を提唱す > 二 本旨 心あらば愛児に楽園を | 2003.11.02 Sunday 23:10

1.源泉の涵養

 いま日本は精神的に物質的にまことに乏しいです。
 この日本を最も豊かにするものは、人間の持つ知能であり、一人の知恵は世界一の日本にするかも知れませんし、決して奇蹟でも僥倖でもありません。その知恵は何処にあるのか、何処かにあっても引き出すことが出来ずじまいになるかもしれません。
 それを見出し伸ばすものは、政治力・経済力に負う所が頗る多いのです。
 しかもその何れもが乏しく、政治の貧困は格別です。
 成程戦時・戦後の国内外の事情は総てが不如意で、それ等が因となり果となり相関連し、錯綜し、且つ世界経済・政策・思想等の強圧に棹さす政治の困難さは、容易ならざるものがあり、一入苦艱を免れないものと雖も、多事多難であるからとて、失政も止むなしとせず、冷静緻密な判断による計画と、正確強力なる積極的実践力を有する、真の民衆政治に傾倒しなければなりませんし、国政担当者が、自己のみの主張を強行したり、自己の役務を履き違え、政権争奪や、名声や、汚財の獲得に狂奔する等は以ての外で、そんな野望が毛頭でもあれば、不適格者として葬らねばなりません。而して外国次第の手無し政治は止めて、自らなる内よりの力を発揚して、自主、自力政治に転換し、先ず自国を完成して、世界に和する基幹構想を確立することです。
 その構想計画のうちには、重要にして一日たりとも怱せに成し得ないもののみではあるが、私は国民全般の福利を普遍的に増進する、今日の重要施策と同時に、今一つ、今直ちに着手しなければならぬ、基本的重大方策があることを強調し度いのです。
 今日の問題に忙殺されている中にも、明日の破綻を防ぎ、光彩輝く将来を画策・施工して置く事で、今日は苦しく共、むしろそれに総てを賭ける方が、賢明だと信じています。私は、今日はどうにか生きて働けてさえあれば辛抱し、今日に於て明日のために勉学し、十年後のために果樹の種を下して肥培し、百年千年後のために植樹を行ない、道路・水路の整備を強行し、明日・次代の児孫の豊かさを念うものです。
 自己の延長である愛児に、楽園を贈ることは、間違いのない真理であり、自分に尽す結果になり、今日自己一代の栄華や、自己の子孫のみの為に囲いの中に営み貯える、何時侵され崩れるか図られぬ不安全さを思えば、ひとと共に力を合わせて行ない、皆血の繋がる人間同族の児孫の幸福のために、致す事が真実です。私はこの真理を確信しますが故に、同じ考え方の人々と共に、明日の楽しみに生きて居るつもりですが、中にはその方面の事は、奇篤な奉仕者のものずき位に思って、自分のみを願い、他に迷惑・妨害になる行為を平然として続けている人が、確かにあります。併し私達の社会には、犠牲も奉仕も一切ありませんから、残念乍ら、私はそれ等の人のための奉仕者には、成ろうとしても成り終ることは不可能でしょう。
 私は明日の計画のうちの、主要項目の一つとして、一番先に挙げ度いものは、そして一番効果的で、この乏しい日本を豊かにするものは、知恵の鉱脈を探り当て、それを開発することだと思います。
 幸福条件を解明し、それを探求して突き止める適任者を見出し、その人の活動を阻害する凡ての条件を排除し、又保護して、経済的に、精神的に援助・協力する・頭脳チャンピオンに期待する方法を、絶対的に強化したいと思います。
 現在でもこの点について、それぞれ制度を設け、実施されてはおりますが、微温にして徹底を欠き、充分なる機能が現れて居ないようです。
 真の学者や、思索家・研究家はそうした専攻的方面には、最も優れた素質を保有していても、頭脳と時間を一方へ集注し、それに偏すれば偏する程、偏するが故にも、その多くの人は、経済的や、肉体的健康等の生活能力が低下し、時間的にも、研究資料の蒐集にも不如意となり、環境条件に制約を受けて、自由に思いのままの追及に支障を生じ、その優秀な能力を発揮し得ず、減殺され、埋もれ、中絶の止むなきに至る事屡々です。
 こうした逸材の大業を保護育成し、活発積極化する施策は、根を培い肥し、やがて枝葉を繁茂し、良果を稔らす、根本的な問題で、不具・疾病・療養・養老・貧困等の枝葉の厚生福祉施設と、教育にも万全を期すると共に、根源の涵養策を強行すべきことだと思います。
 乏しい日本を豊かに幸福にするには、その条件である心理的なものと、それから物質その物の豊満によって、解決出来ることは再度云っています。そしてその解決の基本的解明に当る心理学者や、物理学者等が、生活や、設備や、資料に捉われないで、健康で専念して、究明に没頭出来るよう、学者(学者とは限らないが)の優先待遇計画の画期的強化に、協力致し度いと思うものです。

Category: 一卵革命を提唱す > 二 本旨 心あらば愛児に楽園を | 2003.11.02 Sunday 23:10

2.鶏を飼う身で協力

 私共は鶏を飼い、農業を営むことを、各自の仕事としてそれに専念し、その立場から幸福社会実現に協力し、心をこめて、その目的に叶う卵や米を生産し、安価に、豊富に供給し、養老・孤児其他今日の積極福祉等にも、大いに協力する一方、今述べました積極的重点協力の方にも、何等かの一役を果したいと、会員諸氏に相図る次第です。

Category: 一卵革命を提唱す > 二 本旨 心あらば愛児に楽園を | 2003.11.02 Sunday 23:09

3.学者に一卵を

 この案は今日迄、機に触れて会員に意中を洩らし、意見を伺って来ましたところ、今迄には例外なく、協賛を得て居りまして、これを語る事によって、一層この会の性格と意義に対しての理解を深め、握手を堅くするばかりでありますので、一つの確信を以て提案するものではありますが、もとより一会員の私個人案の事とて、不備な点も随分ありましょうし、決して押しつけるものではありません。
 私が実行し、又他の会員の方が共鳴されて実行されましても、必ずしも同調しなければばらばいものではありません。先ず私共の真意と方法等について、関心を持って、深く御検討されて、間違いや異存等指摘して頂き、幸いにして一致共鳴が得られますなれば、進んで協力下さることを切望します。
 飽く迄至情純粋を期し、売名や、理解のないおつき合いの協力の弊を避けるために、芳名も一切公表しない方針です。
 明日の世界、吾が児に楽園を贈る、各自の心からなる協力でなければ扱わない事にし、途中に於ける数量等の間違いを防止する意味から、凡て伝票制とし、会として現品を取り扱わない方針は如何でしょう。
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