BOOKS: 『SCIENZ(サイエンズ)』
研鑽科学(ヤマギシズム)について(2008.8.1)
「ヤマギシズム」という語は、もう既に使う必要がなくなったが、「ヤマギシズム」という語が使われている間(消滅し終わるまで)は、その語源を明らかにしておきたいと思う。
―― アーカイブ: 2003/11 ――
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Category: 知的革命私案 > 一 正しきに戻す | 2003.11.02 Sunday 23:27

14.人情社会組織に改造

 今までに言い尽され、教えられて陳腐なことですが、ややもすると、自分のみの近道を行なおうとする間違いが、混雑の根本的原因です。
 これは、一見最も楽な、確かな方法のように思い違いをしやすいもので、殆どの紛争は、ここから発しています。
 なる程、今の世の中ではこんな考え方の人が多く、そんな人は、一人で何倍かの幅を取り、その限界を知らないために、幾らでも拡大しようとします。こうした行為は、少数の人でも、多数の人に影響しますのに、周囲からこんな人に寄って来られて、遠慮していたなれば、自分の立場が無くなりますから、止むなく自分で自分を護り主張するのは、誰もの考え方でしょう。周囲がやって来るからで、自分としては、突っ張りたくないが、突っ張ることは間違いと知りつつも遂い、生きて行けないから突っ張ることになるのだと云うのです。
 ここに三つの方法がある。
 その一つは、その限界を定めて、お互いにその線を越えないこと。
 今一つは、他を侵すことの浅ましさ、愚かさを気付くこと。
 他の一つの方法は、有り余って保有していることの、無駄であり、荷厄介になる程、広く豊富にすることです。
 私はこの三案を併用すべしとしますが、そのうちで一番重点を置き、他の二案を欠いても、この一法だけは外すことは出来ないと思う案は第二案で、即ち幅る辱しさに気付いて、他に譲り度くなる、独占に耐えられない人間になり合うことだと決定しています。
 この案について話し合って見ると、大抵の人は難しいと云い、それは結構であるが、こちらはそのつもりでも、先方がその気にならないよ、と云う人は余程解りかけた人で、中には売僧の世迷言と嘲笑します。
 併しこの辺が逆の考え方で、真実を知らねば解けないのでしょうが、これこそ無理のない自然の真理であり、ヤマギシズム社会の基本となるものであり、他の二案が如何に完璧であっても、これがない社会は、無味乾燥・器物の世界に等しく、潤いのない造花の社会です。
 しかも、他の二案よりも容易に出来ることで、今直ぐでも、資金も設備も資材も製品も、新しく造らなく共、今あるままで、不平も不満も紛争も犠牲も、強奪も侵犯もなくして、にこやかな真実世界になります。
 以上の述べ方は、物の世界に偏しているやに解釈されやすいでしょうが、物質のみについての突っ張り合いを指しての事でなく、心の対人的持ち方、特に人と人との社会連繋の、切ることの出来ない真理性に立って、完全社会の要素として、人情の必要性を云ったのです。
 人は、人と人によって生れ、人と人との繋がりによらねば、自己を次代に継ぎ、永遠に生きることは絶対に不可能で、その関連を知るなれば、自己一人限りとの考えは間違いなる事が解り、お互いの間に愛情の含まれるこそ、真理に相違なく、今の社会的欠陥の最大なる原因は、国と国・官と民・業者と業者・団体と団体・人と人とが離れ、相反目している事にあり、政治・経済機構も大改革されますが、その何れにも相互関連があり、この条件を必ず重大要素として組織し、総親和社会への精神革命を必要とする所以です。

Category: 知的革命私案 > 一 正しきに戻す | 2003.11.02 Sunday 23:27

15.人種改良と体質改造を

 人間と云う生物は案外迂濶なもので、他の動植物に対しては、随分思い切った改良を加え、新しい優秀な品種を作出し、その特徴を高揚して来たにかかわらず、肝腎の人間自身の問題には頗る狭い考え方で、排他的や、純血至上思想や、人間冒涜感等、因習・道徳・宗教観に捉われ、罪悪の様に惧れ、たまたまそれを採り上げて研究し、発表された著述等も、歴史的民族変遷史や、学説・理論に止まり、人為的積極的に、実際に応用一般化されたのものは、未だ微温的な優勢法に止まり、基本的改良は殆どないようで、ただ生物退化現象を真理とする、意識的又は無意識的退化防止的婚姻法や、崇高本能の自然的欲求や、移住や民族混棲等、環境的な原因から、無理論的な改良にまかされて、そうやく現状を維持しつつあり、劣悪体質・低知能に、自他共に苦しみ、進化向上の跡見るべきものがありません。
 ここに於て、私は遺伝繁殖学的、及び人為的、自然環境変異理論を基礎とした、計画的積極的人種改良を、急速に且つ現状に即して、理論と実際を結び付けた方法にて、実施せんとするものです。

Category: 知的革命私案 > 一 正しきに戻す | 2003.11.02 Sunday 23:26

16.百万人のエジソンを

--- 千万人のシャカ、キリスト、
       カント、マルクスに優る人を

 私はキリストや釈迦が遺した足跡を、直接見ていないから、後世の人達よりの、間接的資料から観たものに過ぎませんが、彼等は先天的に相当優れたものを、持って生れていたやに想像しても、間違いないと思っています。
 又あの人達でなく共、あれ等の人に劣らぬ人も、世界の各所に実在したと思いますし、その秀でた因子は、直子は無く共傍系にあったものが、現代の誰かに組み合わされて、伝承されてあるかとも思われます。
 今彼等と同じ又は、彼等以上の優秀な遺伝子を持って、よき機会に恵まれた人が、百万人一千万人と実在したなれば、世界はどんなに変るでしょうか。そして、白痴・低能・狂暴性・悪疾病遺伝子の人達に置換されたなれば、物心両面の幸福条件・社会風潮等を、如何に好転さすかに思い至るなれば、何を置いても、この人間の本質改良に出発せざるを得ないでしょう。
 かのフランクリンやエヂソンの頭脳が、ああした環境・機会を得なかったなれば、今日の物質文化は、何処に止まっていることでしょう。一人の頭脳は、連鎖関連的に全世界を一変するでありましょう。
 世の女が皆、クレオパトラの鼻や、楊貴妃に成っても妙味は無いが、創造の神とやらは、余りにも不公平で、才色美麗、孔雀の誇りに鳳の高さを兼ね与え、一方梟眼にアヒルの無様さ、かける翼も、さえずりさえも与えられない醜女の一生を歎ぜしめる無慈悲さは、私には辛抱し切れないのです。せめて赤い牡丹にない紫を可憐な菫に、香を白梅に、与えられるように、色とりどりのよさ美しさ、持ち味が保てるようにはしたいもので、自他の好まぬ劣悪因子をなくして、親は至らぬ子に心を苦しめ、子は境面にため息する哀れから、解放しなければ可愛想でしょう。
 美醜の標準、賢愚・優劣の限界は定め難く、巷の碑女も、絶海の孤独ものには又なき美女となったり、二世の契りの仲でも、突然紛れ込んだ美しい白鳩に眩惑される不安定性もあり、田舎初段の天狗も、兄弟子には手も出ないように、上には上があったり、何れかに一線を設ける訳には行きませんが、少なく共、大差を無くすることで、そうする場合、低きを再び繰り返さない方法を採ります。
 遺伝因子には、その殆どが劣悪形質遺伝因子であっても、一個又は数個の優秀なものを含んでいることもあり、それを抽出して、他のそれに劣った因子に置き換える組み合わし法によって、悪質を除去して固定したり、場合によると、劣性優良形質二個を組み合わせて、一代特別子を造ることも可能です。

Category: 知的革命私案 > 一 正しきに戻す | 2003.11.02 Sunday 23:25

17.女性は300人近くの直子を遺す

 人間の女性は、一生のうちに一人で200人-300人以上の直子を遺すことも、近い将来に於て可能で、男性は、それが難計数的尨大な子孫を遺し得るもので、突飛に見られる私の理論も、そのうちに繁殖医術によって、立派に実験されて裏付けられるでしょう。
 私は、その理論の根拠及び実際人間社会に応用する具体的方法等は、後章で説明し度いと思っていますが、ここでは、愛児に先天的に、生れ乍らにして不幸の原因を背負わしてはならないとすることと、頭脳及び体質等の悪性遺伝は、子孫に不幸を齎すものであって、健全な心身から、ヤマギシズム社会は出発するものであり、私はそれを実現さすために、人間そのものの革命を強調し、人間の知恵から割り出した方法によって、根本的に、人間は人間の能力で改良出来得ることを主張し、実行を期することは述べて置きます。

Category: 知的革命私案 > 一 正しきに戻す | 2003.11.02 Sunday 23:24

18.体質改造

 犬が水に入ってオットセイになったのか、オットセイが陸へ上って四足で走るようになったのか、よく想像を巡らすことがあり、これ位のことはあり得ることだと思います。いかに突然変異でも、蛤が化して雀となったり、山の芋が鰻にはまさかなるまいが、併しこれとて何れもが生物で、物の起源を正確に知らない私には、それについて判らないことを知ったか振りが出来ないです。
 併し確実に実験して云えることは、動植物の環境適応性変化で、十字花植物の一種で、陸生では倭小で10センチ位で花を着け実を結ぶが、水中では無制限に蔓性に伸びて、太い茎は枝から枝を出し、3メートル平方にも及ぶ水面を独占し、恰も大財閥の逞しさにも似た繁盛振りを示し、花を咲かせても結実を忘れて、世に幅って行きます。寒冷を越さないと稔れないもの、暖地に育って冬を凌ぎかねる動物等もあり、風土病等も代を重ねるうちに、耐病性体質となっ耐過出来るようになります。
 人の場合も、親の台の、及び胎内にても、産れてからも、環境によって、知性・体力・質・機能は大いに変化するもので、学理と学説を、根底から覆すものがあります。要するに、優秀な先天的遺伝形質を持って産れた上に、環境適変化応性や、人為処作によって、幸福条件を完全ならしめますから、かような重要問題を自然にまかせ、等閑に過ごし、偶然変異の僥倖を期待せず、知性による積極的方策を断行します。(本項未完)

Category: 知的革命私案 > 二 先ず日本から | 2003.11.02 Sunday 23:23

1.日本なる呼称

 私は日本とか、日本人とか、国と云う言葉を用いますが、日本とは、私共の考えている社会では、世界の一地域名であり、国と云うのは、個々に離れて独立したものでなく、便宜上の地方区割段階の一つであり、日本人とは、現在呼び習わしの民族の名称であって、永久に日本地域に居住しなければならぬものではありません。日本人の将来についての私の考え方は、そのうちに発表したいと思いますが、ここでは、理想社会は、今の日本地区のみに止まるものでなく、全社会が、正しい真のあり方に変ることを予想して、それの第一歩として、先ず私共は所謂日本人であり、日本に住んでいる関係と、地域が狭くて手頃であり、諸種の条件が揃ってありますから、ここから着手して、日本で実現させ乍ら、他の国の人々にも呼びかける心算です。
 今の世界状勢、特に日本人の物質欲求、及び心理的傾向は、この知的革命を遂行するに絶好の状態にあり、理論・目標のみを並べるのみでなく、具現方式により、混乱なくして、明るく、正しく、新しい、世界から関心と協賛されるに足るような、モデル社会と致し度いものです。

Category: 知的革命私案 > 二 先ず日本から | 2003.11.02 Sunday 23:22

2.乏しき日本

 今地球上にある人の数は、あなたとを含めて、概算28億だとか云われています。多いと云えば云えますし、又そればかりかとも一口に云えます。
 実際人跡未踏の地があり、未開発の豊庫は地下に地上に眠っています。地表の三分の二には、酸水化合物を主として、幾多の元素が含まれ、その底にも豊富な資源が層をなし、地上何千米にも、衣食住生存必需元素が、混合・化合体で充満して居ります。
 今強いて果たし合いしたり、イケズ(意地悪)しなくても、物が無くなったり、こればかりの人間が住む土地が狭くて、困るような事もないでしょうに、又はるか彼方には、未だ当分燃え続けるであろう太陽が いていますし、太陽が消滅した時は一連托生、一寸位肥え蓄えていた処で、所詮は他よりも長命出来るのも時間の問題ですから、そうした啀み合いをしている暇に、星の世界へ移り住む協同計画や、太陽無しで生きられる方法の相談を、みんなでやればどうかと思います。
 唯今地球では、自由自由と云い乍ら、狭い囲いに沢山の人を押し込めて置いて、自分はその囲いの中へ自由に出入りし、思いのままの事をし乍ら、自分の方へは他を寄せつけない変な自由が横行しています。こんな囲いは、双方が相寄ってなくする相談をした方がよいでしょう。
 唯今、日本と名付けられた土地には、内外から造られた厳重な囲いがあります。そこには、何時から渡り棲んだものか、多数の
人間が生き残って居ります。こう云うものを国と呼んでいますが、この国の地下にも、どんな貴重な資源が無尽蔵的に埋まっているか判りませんが、現在その土地にいる人々が使用し得る資産を、土地を含めて見積って、一人当りに按分して見ると、世界中のどの国の人達よりも低いのではないでしょうか。最低位でないか解りませんが、高い人とは莫大な差異があります。ボルネオ辺りの住民等も、太陽光熱を含めた天然資源は、実に豊富に使用出来ると思います。
 日本なる囲いから出られぬ人は、物の使用の面で甚だ貧乏です。その年間消費する主要食糧さえも絶対不足し、衣料材・工業原資材も輸入に俟たねばなりません。賠償・負債は莫大なる額に上り、世界の海運・商権市場・投資関係も不利な立場にあり、天災亦恒例の如く襲来し、今のままで行くなれば益々貧乏国となり、他国との貧富の差は、愈々甚だしくなりましょう。
 併し誰を恨みようなく、誰が悪いのでもなく、よし悪い人があっても、今更云い合っても仕方なく、真相を知らずに、時の勢いの趣くままに如何ともなし得ず、反対し乍らも、戦争をどんなに
嫌っても、押し流されての結果でしょう。
 天皇さんでさえも、留めることが出来なかったとか。併しマア好戦大元師陛下であって、朕に続けと自爆されていたら、日本人は一人残らずになっていたかも知れなかったが、幸か不幸か、未だ溢れる程の人群で、人的資源だけは相当なものです。
 双方が流した血で、再び戦争してはいけないと書かれているのに、世界対立は頭上で火花を散らし、好ましからぬものを落されるや図られず、と云って国外へ逃げ出す権利さえ無い乏しさです。
 たまたま私が、こういう立場にいるからの僻みのみで云うのではありませんが、今のような形の国境は、無い方がほんとうだと思います。
 私はかように間違いであると信ずる国境制を、是正するためにも、この革命を提案する訳ですし、この革命が成就すれば、今の国境の必要はなくなり、一つの画線程度になることは、前にも述べて居ります。
 根本的原則は、個人の政治的・経済的及び居住地等、其の他凡てに機会を均等にするにあります。即ち居住地は個人の自由意志により、何地にも移動出来ることとし、世界政治を、世界人の総意によって行なうにあります。
 以上のような制度に改正するには、一方的希望のみでは成り立つものでなく、全世界の研究機会を設けて、慎重に討議することで、自他を離れて真理を究明し、双方理解の下に正当なる理論を見付け出して、実行に移すもので、私は遠からずこれが実現することを信じて疑わないものですが、それが実行される迄に、整理して置かねばならないものが有ります。囲いが取り払われた時の日本人の質の問題と、法制のみで築いた社会機構の欠陥を挙げねばなりません。

Category: 知的革命私案 > 二 先ず日本から | 2003.11.02 Sunday 23:21

3.日本人の反省

---国境をなくし理想社会へ
              通ずる近道---

 私はどう贔屓目に見ても、今の日本人はこのまま世界人の中へ出し度くないのです。
 まず外観の貧弱な事に気付きます。体躯が如何にも貧弱で、皮膚の光沢に乏しく、肉付きも姿態も立派だとは云えないでしょう。中には大兵肥満、見るからに好感の持てる人もありますが、全般から見て、世界的に優れ讚嘆するような人は少ないようです。
 他にも日本人と大差ない人は随分多いのですが、又総体的に優れて見える種族のうちにも、見るからに怪異な感じを受ける人もあり、時により同一人でも美しく、又は醜く見える場合もあり、見る人の感覚的なものもあり、赤い花にも白い花にも、それぞれの良さがあり、大輪必ずしも美麗なりと云い切ることが出来ないように、皮膚が黒いから、或いは白いから、黄色だからと優劣を決定するのは早計で、小さいものにも厳しいものを感じ、鶴には豚にないものを具え、一様に定める標準はありませんが、どことなく美を崇める人間性本能からは、見劣りがするようです。
 これの原因には、時流傾向性や、先天的遺伝形質や、栄養的要素から、又は性格感情的なものからも、職業・服飾・生活様式や、先入主観から来ているものがあると思います。
 これに就いてよく検討し、その原因となる欠点の除去に力め、向上を図るなれば、そうした面で、優秀な民族となることも難事でないと思います。
 それから、人間として最も大切な人格上の点で反省したいと思います。日本人も知能的組織の劣っていない事は、幾多先輩の事績を見ても立証されます。又人格的にも、決して卑屈な因子を蔵してはいませんし、行為は実に立派なものがあります。
 併し環境的主因から、多くの間違いを侵し、世界の人達から嫌悪されているのが現状です。これは内から出たものと、外部から然らしめた原因があり、戦前世界に於ての日本人は、或る地方では割合対等的に、又は優遇され、他の地方では恐れ嫌われ、或いは排斥されたもので、彼我の経済的生活程度・教養の高低・職業的貴賎意識・侵略感・初期の印象等、人間性の本質的なもの以外の、環境的因果関係からも大きく影響した、感情的な現われでしょう。
 諸種の関係から、世界各地であまり歓迎されなかった上に、或いは歓迎されなかったが故に、戦争となり、対外的に悪感情を募り、鬼畜・強盗の如く忌憚され、戦時・戦後の物資欠乏による物への屈服と、経済生活不安定と、目標・希望を失った虚無的索寞感から、人間的自尊心の忘却症状となり、物質偏重傾向になった事は、止むを得ない事と思いますが、このままの姿で国境が無くなることは、日本人が将来永久的に賎民化し、世界に不幸を永く遺すことになりましょう。
 幸い今日ではこうした混沌たる中にも、これを憂慮される識者は、日に多く現われ、人間意識の開発に活発な努力を捧げられつつあり、他を倒して獲物を奪い取ったり、物を乞い与えられるを、尾を振って待つ獣的醜態が習性にならないうちに目醒めて、且つ又戦前のような軍服による厳めしさでなく、真に世界の人々から尊敬され愛される知能と、人格を伴った、立派さを持ち度いと思います。
 外観・実質共に優れ、友好・親和の精神で臨めば、何処でも歓迎され、無駄な牆壁は自動的に解消されるでしょう。
 国境を無くする最上の絶対間違いない方法は、外交交渉でもなく、無論戦力でもありません。交渉や武器で無理に囲いを破って飛び出しても、招かれざる客の不愉快さは免れないでしょうから、各自の反省により、欠点を除去し、迎えられる立派さを身に備える事に専心する方が先決で、早まって不健全な荒んだ心で押し出して、悪い実績を植え付けると、拭い去ることが容易でなく、取り返しが付きません。
 国外へ出られるようになっても、人物試験合格者からでないと、雑草の種子播きになります。先決問題は、日本人自身の反省と努力によって、自身の頭脳・技術・社会人としての教養・人格・肉体等、実質・外観共に歓迎される優秀人となることで、これが国境を無くする近道です。

Category: 知的革命私案 > 二 先ず日本から | 2003.11.02 Sunday 23:20

4.日本を豊かに

 現在の日本は物量に乏しく、精神的にも、不満を感じている人が随分ありますが、これを他に求めなく共、自らで物心の豊かさを得ることが出来ます。
 精神的不満感の原因としては、自身及びその心の内にあるもの
と、社会的なもの、及び物質から来たもの等があり、又それ等が表裏に結び付いた、関連的な場合が多いのです。しかしこれも心の持ち方によって、不足感の整理は出来る訳ではありますが、通常殆どの人は、そうした心境に徹することは、不可能事でありましょうし、真の人間性に合った自然性を曲げた、不合理面が混在することもあります。そこでよく検べてみると、精神面で真実のあり方を知ると共に、物を豊富にすることと、社会機構を正しきものに組み建てることをも、相当重要視しなければなりません。
 物が足りなくなると、獣性が飛び出し、豊富になると徳性が戻り、有り余る程あると、真価を忘れ易くなるのが、普通の考え方で、中には、積めば積む程なお欲しくなる人や、又妙な事には、大局的の実質は少ない場合でも、目に付く近隣より多く持っていると一応気をよくし、他が失くすると、自分が増したように錯覚を起したりする、変な心理作用を持った人もあります。
 心は、物ではどうにもならぬ事も多く、愛憎の情等は物の問題を超越し、生命に迄も及びますが、物に心が結びつき、心持ちが物に現われ、又は物故に生命を賭けることもあり、物が心に与える影響も甚だ微妙なものがあります。
 心も、頭脳から放射する或る物質と云う説もありましょうし、意志の動きから物を造る事も出来たり、移動したりするから、表裏一体だと考える人もあるやも知れませんが、この問題は別に解明するとして、ここでは、物と心と生命を分けて考察してみましょう。
 尚社会機構の変革については、稿を改めて述べ度いと思いますが、私は常々高い所はそのままで、低い処から引き上げて、乏しい人を豊かに、足りない物を充たして行く方式を考えて居りまして、ここに日本を豊かにと採り上げていますのも、やはりその意図から発している訳で、日本が高ければ、他の低いところから手を付けるでしょう。理想社会は物心とも豊満でなければならない筈ですのに、日本の現状は、その何れもが他と比較して、甚だ低いことは何回か繰り返しました
 私は最も乏しい日本を豊かにする方法には、いろいろあると思います。富有大国と結び、国境を無くすること、世界の何処かから莫大な物資や優れた思想を入れる事、日本人が移住又は出稼ぎに出るか何かの方法で、人口を稀薄にする事等、外交的な措置が成されるなれば、急速に個人宛の物量資源は豊かになり、心も寛くなりましょう。
 このうちのある条項は、中国等には迎えられるかとも思いますが、今の状勢では、一寸出来ない相談でしょうし、再び爪牙を磨いて出掛けたり、憐みを乞い受けようと願っても、先方が歓迎しそうもありませんし、又当方としても、左様な事をし度くないでしょう。私としても、それは高い所を崩して、低きに持って行く事になりますから、避け度いです。
 移住出稼ぎ等の話が起っても、さきにも述べましたように、人格的に欠けた質のよくないのが先達で行くと、世界中の嫌われ者の実績が付きますし、人の嫌う職業が日本人の世襲的職業となり、
職業を通じて尚人々に嫌悪され、僻み等からも心が荒み、犯罪等社会悪の巣組む事にもなり、日本人全体の不評の因となり、かような人が地球上にあることは、世界の不幸で、自他共に不快な人生となります。そうしたこととは別に、交友・連繋・協調等外への働きかけを怠らないことは勿論ですが、一方内面的に考え直す事が今日の急務で、高い知性と能力と人格で、親交を深め、相協力して、努力を傾注するなれば、物も豊かに心も爽やかになり、住みよい社会が実現します。
 先ず物の面から見て、日本は甚だ貧乏国だと一般的には考えられていますが、一面からみると、必ずしもそうでもなく、優秀な知能を具えた人達が満員です。
 人口が多いと云うことは、限られた物に対しての比率からは、物が寡い事にはなりますが、その物を移動させたり、必要なものに造り変える仕事は、人間にも出来ますから、その人間が最も効率的に、物の価値を増すことをすれば、その比率は幾何でも変えられます。
 物は分解・化合・合成等により、様々な形に変り、人間に有効な物になったり、無用な物になったりしますが、これは一時的現象であって、その時、その場所、或いはそのままでは、無用又は有害な物でも、最も必要な物に変ったり、変えることが出来ます。そうした変化を最も上手に行なって、人間に最も必要な状態にして、要求を充たすなれば、決して乏しい等と託つ必要がなくなりましょう。
 こうした変化は、自然的にも生じますが、人の行為によって、自然現象を増補したり、全く人為的に変化有効化することによって、豊満になります。
 現在では必要物量が足りないようですが、足りないと欲求が生じ、欲求が起れば必ず工夫が加えられ、現に非常な熱意で必要物資の増産に専心され、それぞれ優れた実績が収められつつあります。米=(炭素+酸素+水素)×光熱=空気及び太陽等、肉=(炭素+酸素+水素+窒素)×光熱=空気及び太陽等ですから、空気を食物に造り変える研究をすること等で、空気は食べ切れない程日本にもありますから、戦争に注ぎ込む資材と努力と生命を切り替えて、研究室を設けましょう。
 日本を世界一に富ますものは頭脳であり、日本人は頭脳も亦、用い方によって素晴らしく働く筈ですから、湯川博士や有名無名の科学者達を、その道に没頭して頂けるよう、資料と費用と生活を、吾々で積極的に護り、心からなる声援を贈り度いものです。
 又心の世界を開拓し、心と物の結び付きを解明し、健康を増進し、人格を訓育し、真の幸福社会のあり方を検べ行なわんとする人々の活動を、易からしめるよう、大乗的見地から、協力致し度いものです。
 物を生産し、運搬し、販売する業者も為政者も、一日一時間の束の間も、そうした気持で一先ず低い日本を引き上げて、良い状態にすることで、世界に迷惑をかけないで、終局目標を世界幸福に置き、方向を違えないよう、持てる知能を傾け、力を集注してそれに協力することが、子孫永遠の真の幸福への近道だと思います。現に、今日沢山の間違いがあります。即座にこれを切りかえて、急転直下理想社会を実現するのが、この知的革命であり、私はそれに確信を以て発表した次第です。世界が二つ三つに分れていては、何時か何かが起り、今も毎日何事か起っています。愛し孫子を戦場へ送らないよう、頭の上から弾が降らないよう、先ず日本から実施して世界へ呼びかけましょう。
 以上は本号に「一卵革命を提唱す」の題名で呼びかける必要上、それに関連する一端を抽象的に述べたのみで、いずれ号を重ねるうちに、全貌及び各項目に亘り、具現方式等も書いてみたいと思います。御判読の程を。
           1954. 11. 27.

Category: 一卵革命を提唱す > 一 前説 | 2003.11.02 Sunday 23:19

1.日本の鶏と農

 鶏鳴によって日本の夜が明けたとの伝説は、まん更根も歯も無い造り言だと云ってしまうには、何だか惜しい感愁が残るのは、私ばかりではないでしょう。
 作者の頭のよさか、在来種の鶏の頭がよいのか、在来種が何時から日本に居たのか、何れにしても洋種と云われるレグホーン等は、宵のうちから真夜中でもよく鳴いて、不吉の兆だと迷信家に忌み嫌われていますが、日本種は大体一番鶏、二番刻と性格に黎明を告げます。
 兎に角日本肇国を、これに結び付けると、当て嵌まることは事実です。
 私は今の世を、夜の世界だと云い度い程混濁し、間違い・怒り・紛争・苦悩が多過ぎると思います。
 特に日本は戦争で物を無くし、生命を無くし、世界からの尊敬・友好・自由をなくし、堅持して居た高い誇りを失ない、社会気風迄荒び果て、経済的に精神的に顛落し、乏しい小島に自信・希望・目標・生活に不安定の日夜を犇めいています。
 この不満・不安定の夜の地に、明るい希望に満ちた晨を呼び醒そうと、鶏が登場することは聊か伝説じみるのです。
 そのかみ農業立国等、これも誰が云ったのか私には判らないのですが、日本農業の現状はどうでしょう。自国の食糧・飼料迄他から仰ぎ、綿・羊毛も他に依存し、家を建てる用材も、薪炭にも事欠く有様です。
 これも戦前からの事ではありますが、何とした事でしょう。果ては人の口が多過ぎるからだと他所から忠告されて、アアそうだったかと、今更乍ら人減らしの相談・計画。それも悪くはなかろうが、人には口もあれば手もあり、頭もあり、蛙や虫けらでも食べているのに「一寸辱しいじゃあまへんか」です。泣言云ったり、意気地のないこと止めまして、ここらで一休みして頭の使い場、脳味噌の出し場所と、お互いの瓢箪頭、茄子頭やら 頭と、頭の品評会でもやりましょう。生命の糧の米麦を、瑞穂の国が輸入せねばならぬとは、百姓の面目何処にありやです。肥臭い頭を洗って、硬い頭を揉み軟らげて、出直しましょうよ。
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